20回目の遺書

死ぬなら今がいいと思った。

 

読みかけの漫画があった。

新譜を楽しみにしているバンドがいた。

会いたい人がいて、伝えたいことがあった。

やりたいことがたくさんあって、親も友達もまだ生きている。

 

そんな中で死ぬのがいいと思った。

 

なにかをやらなきゃいけない焦燥で呼吸するのさえままならない。

目まぐるしく生まれては消えていく思考の中でただ自分の心臓の音だけがある感覚。

 

夜が鳴いている。

 

ぼんやりとした希死念慮がずっと頭から離れない。

これはきっと麻薬だ、生き続けるための。