深夜に鳴くニワトリ
確か6歳の誕生日にあざらしの抱き枕を買ってもらった。
昔は窓を揺らす風の音でもビビって寝れなくなるような繊細さを持っていたが、この抱き枕を抱いて寝ると不思議とよく眠れた。
今ではもう中の綿はヘタってしまってぺちゃんこなその抱き枕を抱かずとも眠れるようになったけれど、夜というのは魔物の住む時間のようで、ただただ眠ることが怖くなってしまった。
抱き枕をもらってからもうすぐ14年。
その事実は目眩がするほどグロテスクだ。
そういえば命は尊いものだと小学生の頃に教わった気がする。命は軽くなく、重いものなのだと。
その重さを今になってようやく実感している。
人が空を飛べないのはなにも電線が空に張り巡らされているからだけではない。