シリウスの波際、残響のあいだ。
いつか星を見に行きましょう。
空で1番輝く星を、1等星を、シリウスを、きっと見に行きましょう。
繰り返されるいつかとまたは、きっときっときっと来ない。
白痴の私はそれを信じる。
けれども降り注ぐ星の光が死んだ光であるように、
彼らは生まれた時から既に骸だ。
いつかねなんて来ない。
またの日なんて来ない。
私は今日を廻り続ける、己の尾を追い回す駄犬のように、狂ったタンゴを踊るように。
閉じて閉じて閉じて閉じて閉じた日々。
飽きることもせず24時間365日、同じところを回り続ける思考。
飽きないの?飽きたよ。
馬鹿みたいだね。馬鹿みたいでしょ。
そっか、じゃあまたね。
さようなら、いつかの日なんて来ませんけれど。
寝れない。長い夜。明ける。光。朝。寝れない。
頭が痛い。胃の底で暗い深い穴が口を開けた。
濁ったシナプスは無意味な電気信号を送り続ける。
目からボロボロ水が垂れる、悲しくなんてないのに、意味なんてないのに。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐる——
ねえ私、いつ間違えちゃったんですか、どこで間違えちゃったんですか。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐる——
こんなことなら最初から全部なかった方がよかったでしょうか。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐる——
どうして私は、私は。私は?
ぐるぐるぐるぐるぐるぐる——
ぐるぐるぐるぐるぐるぐる——
閉じて閉じて閉じて閉じて閉じた日々。
いつかなんてこない。
私が自分で自分を殺せる日なんてきっと来ない。
また明日、を何度だって繰り返して今日も健やかに生き延びる。
またいつか、お元気で。
またいつか、遊びましょう。
またいつか、今日を辞めましょう。
火事ですか、救急ですか、今日ですか。
私にいつかはやってきますか。